挨拶
文例集
マナー・
しきたり

挨拶のポイント

遺族として
葬儀では、遺族の立場として参列していただいた方々に挨拶をする場面が多くあります。
しかしながら悲しみの中、自分の言葉で挨拶をすることは、とても難しいものです。平静な状況ではありませんので、型どおりの短い挨拶でも構いません。
ただし、参列してくださった方々への感謝の気持ち・故人が生前お世話になったことへの感謝の気持ちを表すことがポイントです。

参列者として
悲しみに沈むご遺族の方々への挨拶は、その言葉を捜すことに悩んでしまいます。ご遺族の悲しみを察して、故人の死を悼む気持ちを込めて、できるだけ手短にお悔やみの挨拶をするようにします。
また、お悔やみの言葉には避けなければならない忌み言葉があります。たとえば、「重ね重ね」「また」「もう一度」など繰り返しを連想させるような言葉は避けるようにしましょう。
宗教によっては死を表す言葉に違いがあるので注意しましょう。たとえば、仏教では「成仏」「冥福」、神道では「永別」「帰天」、キリスト教では「召天」「神のもとに召され」などと使います。

お悔やみの言葉

一般的な挨拶
・この度は、誠にご愁傷さまでございます。心からお悔やみ申し上げます。
・この度は、思いがけないことでさぞかしお力落としのこととお察しいたします。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

故人にお世話になった場合
・○○様のご生前は大変お世話になりました。何のご恩返しもできないうちにお亡くなりになられ、誠に悔やまれてなりません。

病気で亡くなられた場合
・先日○○様にお目にかかったおりには、あれほどお元気でいらっしゃいましたのに、急にお亡くなりになられて、残念でなりません。謹んでお悔やみ申し上げます。
・○○様のお見舞いにも伺えないうちにお亡くなりになられて、誠に心残りでございます。

事故などで亡くなられた場合
・突然の出来事で、さぞかしお嘆きのことでしょう。お悔やみの申し上げようもございません。

若い人が亡くなられた場合
・○○様は将来をとても期待されていた方でしたのに、本当に残念でなりません。

葬儀・告別式での挨拶

一般的な喪主の挨拶
遺族を代表いたしまして、皆さまにひとことご挨拶を申し上げます。

本日は、ご多用にもかかわらず、ご会葬・ご焼香を賜り誠にありがとうございました。お陰をもちまして葬儀・告別式も滞りなく相すみ、これより出棺の運びとなりました。

生前はひとかたならぬご厚誼にあずかり、今ここに最後のお見送りまでいただきまして、故人もさぞかし皆さまのご厚情を感謝いたしているここと存じます。

なお、残されました○○と○○に対しましても今後とも亡き○○の生前と同様にご指導を賜りますようお願い申し上げまして、お礼のご挨拶とさせていただきます。

喪主が妻の場合
遺族を代表いたしまして、皆さまにひとことご挨拶を申し上げます。
私は、故人○○の妻○○でございます。

故人の○○は、○○歳でございました。これから人生の華を迎えるという時期に、不運にも○○の病に倒れ、短い一生を閉じることとなりました。

短い時間ではございましたが、○○は良き夫・父として私たち家族とともに過ごしてくれました。
これからの人生、○○との思い出を胸に、残された家族で支え合い生きていきたいと思います。故人の生前と同様に、皆さまのお力添えをいただければ幸いに存じます。

本日は、会社の皆さま、ご友人の皆さま、お忙しい中ご会葬をいただきまして、本当にありがとうございました。

喪主が夫の場合
遺族を代表いたしまして、皆さまにひとことご挨拶を申し上げます。
私は、故人○○の夫○○でございます。

故人の○○は、○○年間の結婚生活の間、本当に私のために良く尽くしてくれました。家庭をしっかりと守り、良き妻・母として家族の中心的存在でした。我が家にとって太陽のような○○を失った今、どれほど私たちが○○のお陰で幸せな日々を過ごすことができたかをつくづくと実感しております。

未だに○○が亡くなったという事実を受け入れることができませんが、これからは、○○があの世から私たち家族を見守ってくれていると信じて生きてまいります。

本日は、お友達の皆さま、ご近所の皆さま、お忙しい中ご会葬をいただきましたこと、故人とともに心よりお礼申し上げます。

喪主が子の場合
遺族を代表いたしまして、皆さまにひとことご挨拶を申し上げます。
私は、故人○○の長男○○でございます。

本日は、ご多用にもかかわらず、ご会葬・ご焼香を賜り誠にありがとうございました。

父は、仕事中心の生活で家族と一緒に過ごす時間は少なかったですが、私たちの誕生日は必ず覚えていてプレゼントやメッセージを贈ってくれるような心の温かい人でした。
また、さりげない父からのアドバイスで、心強く励まされたこともありました。

家庭の外での父の様子は分かりませんでしたが、本日このように多くの方々が父とのお別れにお集まりいただきましたことで、父を少し理解できたような気持ちがいたします。

父に対して寄せられました皆さまのご厚情に、心よりお礼を申し上げます。今後とも父の生前同様にご厚誼をいただき、ご指導を賜りたく存じます。
本日は、ありがとうございました。

精進落としでの挨拶

喪主の挨拶
皆さま、本日は誠にありがとうございました。
お陰さまで、葬儀を無事に終えることができました。これもひとえに皆さまのご厚意とお力添えのお陰でございます。

誠にささやかではございますが、皆さまへの感謝と慰労の思いを込めまして酒肴をご用意いたしました。 故人の思い出話などをしながら、ゆっくりとお過ごしいただきたいと存じます。

本日は、ありがとうございました。

献杯の挨拶
※法要などのお席では、<乾杯(かんぱい)>の言葉は使わず、<献杯(けんぱい)>が一般的に使われます。
皆さま、お手元のグラスをお持ちください。
私○○が、献杯の音頭を発声させていただきます。

……故人の思い出やエピソードなどがあれば、簡単に紹介する。……

故○○様の安らかなご冥福と皆様のご健勝を祈念いたしまして、献杯!

ありがとうございました。

僧侶への挨拶

枕経のお願い
お世話になっております○○の○○でございます。
○○が先ほど亡くなりました。ただ今自宅に戻りましたので、ご住職に枕経をお願いしたいと思います。

出迎える時
恐れ入りますが、お布施の準備の都合もございますので、いかほどご用意させていただきましたらよろしいかお聞かせ願えればと存じます。

お布施について尋ねる時
お忙しい中、早速ご足労いただきまして誠にありがとうございます。
わたくしどもは、何分不慣れでございますので、ご指導いただきますようお願いいたします。

お布施をお渡しする時
ご多用のところ、大変ご丁寧なお勤めを賜り、ありがとうございました。
お陰さまで、無事に葬儀を執り行うことができました。どうぞお納めください。

死亡の連絡をする時

故人の勤務先
わたくしは○○の家内でございます。実は、主人が○日○時○分に死去いたしましたので、お知らせいたします。
通夜は○日○時より、告別式は○日○時より、○○で葬儀の形式は○式にて執り行います。
皆さまによろしくお伝えください。

同僚や関係先
実は、主人が○日○時○分に死去いたしましたので、お知らせいたします。
通夜は○日○時より、告別式は○日○時より、○○で葬儀の形式は○式にて執り行います。
お手数ですが、関係者の方々へのご連絡をお願いいたします。皆さまに何とぞよろしくお伝えください。

ご近所
実は、主人が○日○時○分に死去いたしましたので、お知らせいたします。
通夜は○日○時より、告別式は○日○時より、○○で葬儀の形式は○式にて執り行います。
しばらくの間、皆さまには何かとご迷惑をお掛けするかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

学校
○年○組の○○の母でございますが、○○が○日○時○分に亡くなりました。
○日まで学校を休ませますので、どうぞよろしくお願いいたします。

通夜での挨拶

弔問客への対応
お忙しいところ、お越しいただきありがとうございます。
生前は、○○が大変お世話になりました。○日○時に、静かに息をひきとりました。お陰さまで、たいへん安らかな最後でございました。

喪主の挨拶
本日はご多用にもかかわりませず、故人のためにお通夜のお焼香を賜りまして、誠にありがとうございます。
故人もお集まりいただきました皆さまに温かく見守られまして、喜んでくれていることと思います。
別室に、ささやかではございますが粗茶などを用意いたしておりますので、どうぞお召し上がりながら故人のありし日のことなどをお聞かせいただければと存じます。
なお、明日の葬儀・告別式は○時~○時となっております。
今晩は、本当にありがとうございました。

弔辞の例文

弔辞の心得
弔辞は、故人の霊前で故人に捧げる弔いの言葉です。弔辞の依頼を受けた場合、自分がどのような立場の者として選ばれたかを考慮して、話の内容をまとめると良いでしょう。素直に自分の思い出の中にある故人を語る事が、重要なポイントです。
弔辞は、3分前後の長さにまとめます。原稿用紙で850文字から900文字を目安としてまとめ、実際に声に出して読んでみると良いでしょう。

弔辞の文章構成は、前文で語り出し、つづいて本文、そして結びの言葉となります。語り出しは、故人への呼びかけで始まります。本文では、故人の業績や人柄、あるいは受けた恩義などを故人への想いを込めて簡潔に述べます。結びは、一般的には安らかな永眠を願う別れの言葉でまとめます。

原稿が仕上がったら、巻紙に毛筆で清書します。

弔辞を読む際は、棒読みにならないように、故人に向かって静かに語りかけるように自然に読んでいきます。

友人への弔辞
○○、今私はあなたにお別れを告げようとしています。先月、一緒に食事に出かけた時はあんなに元気だったのに・・・突然、帰らぬ人になろうとは、誰が予想できたでしょうか。

振り返ってみれば○○と私との出会いは、大学の入学式でした。偶然に座った席が隣になった事がきっかけで、同じサッカーサークルに入り4年間夢中になって過ごしました。就職してからも、月に1回は必ず会って飲みに行きましたね。いつも仕事の愚痴や恋愛の話で盛り上がっていました。結婚してからも、住まいが近いこともあって、家族ぐるみのつきあいが続きました。

○○は、あの18歳の時からずっと変わらず誠実な友人でいてくれました。私にとって○○は、兄弟以上の存在です。○○が頑張っているから、私も頑張れる・・・いつもそんな思いで生きてきました。

○○、どうぞ安らかに眠ってください。また、天国であなたとお会いできる日までお別れです。

○○、本当に心よりありがとう。

恩師への弔辞
○○先生、謹んでご逝去を悼み、生前の温かいご指導に対し、あらためてお礼申し上げます。

先生に担任をしていただいたのは、もう○○年も前になります。その頃は、私も未熟で血気盛んであった事が懐かしく思い出されます。

先生には、3年1組の担任をしていただいただけではなく、テニス部の顧問として厳しい指導をしていただきました。

先生の英語のクラスは、いつも楽しく笑いで溢れていました。英語があまり好きではなかった私ですが、先生の熱心なご指導のおかげで中学を卒業する頃には、英検2級に合格する事ができました。『これは、奇跡としか言えない!』と友人たちからも、驚かれたほどでした。

また、テニス部では夏の合宿に同行していただきました。夏の炎天下で、生徒たちと一緒になって汗を流しながら元気にコートを走り回っていた先生のお姿が、深く心に焼き付いています。

卒業後も、年に一度のテニス部の同窓会には必ずご出席していただき、楽しい時間を過ごしました。また、私が大学の進路で悩んだ時も先生は親身に相談にのってくださいました。先生のアドバイスのお陰をもちまして、今では私も○○先生と同様に教職を天職として生徒たちと真剣に向き合う日々を過ごしております。

この度の突然の訃報、いまだに信じられない思いです。今後は先生が私に教えてくださった「大切な心」を忘れることなく、子どもたちに伝えてまいりたいと思います。

○○先生のこれまでのお導きに心より感謝し、安らかに永遠の眠りにつかれる事をお祈りいたします。

その他の挨拶

病院・看護士へのお礼
皆さまには連日にわたり心からのご看護をいただきまして、本当にありがとうございました。
○○も、きっと喜んでいることと思います。

お手伝いの申し出へのお礼
ありがとうございます。何から手をつけてよいのか全く分からない状態ですので、大変助かります。
どうぞよろしくお願いいたします。

世話役のお願い
いろいろお世話になります。分からないことばかりですので、至らぬ点や失礼などがございましたら遠慮なくお教えください。
どうぞよろしくお願いいたします。

故人との対面
よろしければ○○に最後のお別れをしてやってください。

香典をいただいた時
ご丁寧にどうもありがとうございます。霊前に供えさせていただきます。

心付けをお渡しする時
お世話になりありがとうございました。些少ではございますが、気持ちですのでどうぞお納めください。

最近の葬儀トレンド

直葬(火葬式)
ご遺体をご自宅や安置所などで24時間保管した後、直接火葬場に移送し荼毘に付します。
直葬(火葬式)では、基本的に葬儀・告別式や読経などの宗教的な儀式を行いません。

家族葬
家族葬は、ご家族・ご親族そして故人とごく親しかった方々のみが集まり、故人と最後のお別れをする小規模な葬儀形式です。
日常的にお付き合いの少なかったご親戚や友人・知人、ご関係の会社・団体などには葬儀・告別式のご案内はいたしません。

家族葬の良い面としては、故人とのお別れの時間を十分にとっていただけることが挙げられます。
お身内の方々だけの内輪のお集まりのため、一般の参列者への対応や気遣いが必要ありません。そのため、特に長期間の看病などでお疲れのご家族の場合は、精神的・肉体的なご負担が少なくて済みます。
また、参列者の人数が少ない分、供養品や食事の数などが限られるため、葬儀費用の軽減にもつながります。

しかしながら、ご葬儀の後に訃報を知った方々への対応が、とても大変なこととなる場合があります。
葬儀の連絡を行わなかった遠縁のご親戚からの苦言や、後から訃報を知った友人・知人の方々がそれぞれご自宅へお参りに来られるという状況も考えられます。
また、ご遺族が家族葬を予定していても、訃報を知った関係者が大勢お葬式に参列される場合もあります。会場の座席が不足するなど予想外の対応に急遽奔走することとなり、参列者に対して失礼に当たることが起きてしまう可能性もあります。

故人のご遺志を尊重しながらも直葬(火葬式)や家族葬の良い面・悪い面をよくご検討されました上で、どのようなお葬式を執り行うか慎重にお決めください。

お亡くなりになるまで

危篤
家族・近親者または友人や知人など、最後のお別れに会わせたい人に連絡します。
キリスト教の場合は、本人に意識があるうちに神父や牧師をお呼びして、病者の塗油の秘跡(カトリック)や聖餐式(プロテスタント)を行います。
時間に余裕があれば、遺影に相応しい写真を探しておきます。
また、預貯金の口座名義人が死亡すると、その口座は閉鎖される恐れがあります。もしも葬儀費用などに現金が必要であれば、早めに出金しておきましょう。

■遺言がある場合
危篤状態にありながら、意識があるうちに行う遺言を一般危急時遺言といいます。
(1)証人(相続と無関係の成人)として三人以上が必要です。
(2)そのうちの一人が遺言の内容を口述筆記し、遺言者と他の証人に読み聞かせます。
(3)証人全員が内容を確認した上で、署名押印をします。
(4)遺言書の作成日から20日以内に、関係者が家庭裁判所に届け出て確認をしてもらいます。

臨終
医師に死亡を確認してもらい、死亡診断書を書いてもらいます。病院以外の場所で死亡された場合は、検死が必要となります。
ご遺体を通夜の場所へ搬送するために葬儀社に連絡を取ります。
日頃お付き合いのある寺・神社・教会がある場合は、通夜・葬儀の日程などについて相談します。喪主・世話役代表を決め、葬儀の規模・日程・会場などの打ち合わせをします。

■納棺まで
臨終が告げられたら、血縁の近い順に末期の水をとります。(カトリックでは行いません。)
遺体を清めるために湯灌・死化粧を施し、死装束を着せます。遺体を北枕に安置し、枕飾りを用意し、枕直しの儀を行います。
キリスト教の場合は、胸の上で手を組ませ、生前愛用していた十字架・ロザリオを持たせます。

死亡の連絡
家族・近親者(三親等くらいまで)または、友人や知人などに電話で連絡します。至急に来てもらいたい人以外には、通夜・葬儀の日程と会場が決定してから知らせます。
新聞に死亡広告を出す場合は、葬儀社に依頼すれば手配してくれます。
役所に死亡届を提出して、火葬許可書を交付してもらいます。この許可書がないと火葬ができません。

訃報を受けたら
訃報の知らせを受けたら、故人と親しい関係であった場合はすぐに駆けつけます。友人・知人などの場合は、早めに弔問し手伝いを申し出ましょう。人手が足りていれば、長居をしないようにします。
一般的な間柄であれば、死亡直後の弔問は避けて通夜に参列します。 訪問する時の服装は、平服で構いません。ただし、あまり派手なものでなく、色・デザインの落ち着いたものを着用します。
死亡の知らせを受けても、やむを得ない事情で通夜・葬儀に参列できない場合は、代理人を立てます。遺族には代理であることを伝えた上で弔問します。
代理人を立てられない場合は、とりあえず弔電を打ちます。そして後日、あらためて弔問するようにします。

故人との対面
故人との対面は、遺族から申し出があった場合にのみ行います。自分から願い出てはいけません。対面が辛い時には、丁重にお断りしてもやむを得ないでしょう。
対面する時は、枕元に正座し遺体に向かって一礼します。遺族が顔の白布をとったら、しばらくの間対面し合掌して冥福を祈ります。
対面が済んだら遺族に一礼して後ろに下がります。

供花・供物の手配
供花・供物は祭壇に飾るので、基本的には通夜に間に合うように手配をしましょう。喪家が供花・供物を辞退する場合もあるので、受け付けていただけるかどうかを事前に確認します。
葬儀社や生花店に手配を依頼する時は、正確に日時・場所を指定します。また、名札に表示する名前も漢字に間違いがないように伝えます。
電話でのトラブルを防ぐために、FAXで注文書を送る事をお勧めいたします。また、葬儀社によってはホームページより供花・供物の受付を行っている会社もあります。

神式葬儀

通夜祭の準備
神棚封じをし、祖霊舎に死亡を報告した後、白紙を貼ります。
帰幽奉告の儀を行い、遺体を棺に納める納棺の儀を行います。
出棺まで毎日朝夕に、柩前日供の儀を行います。親族は喪服に着替えます。

通夜祭
通夜祭を営み、そのあと還霊祭を行います。
手水の儀を行ってから、祭壇前に座ります。斎主が祭詞を唱え、誄歌(るいか)の奉楽のあと玉串奉奠を行います。

葬場祭・告別式の準備
式が始まる前に、世話役や葬儀社と打ち合わせや確認を行います。親族は喪服に着替えます。
供花・供物の配置、玉串奉奠の順番、弔電の披露、火葬場へ同行する人数と配車台数、帰家祭後の食事などについて確認します。

葬場祭・告別式
手水の儀を行ってから、入場します。祭壇に向かって右側に喪主・遺族・近親者が座ります。
斎主が修祓の儀を行い、祭詞を奏上します。
玉串奉奠は、喪主・遺族・近親者の順に行います。
弔問客が玉串を捧げるときは、喪主・遺族は一人一人に黙礼します。
告別式の後、出棺までの間が故人と最後の別れとなります。
棺に故人の愛用品を入れ、蓋を閉じます。棺が斎場を出るときに、出棺の祭詞を奏上します。
喪主または遺族代表が弔問客に挨拶を行います。

火葬
出棺の後、残った人は後祓いの儀を行います。
火葬許可書を係りの人に渡します。火葬炉の前で炉前祭を行います。
火葬が終わると、骨上げをします。埋葬許可書を受け取り、遺骨を持って帰ります。
本来は、火葬の当日に埋葬祭を行いますが、五十日祭(忌明け)の後に埋葬する場合もあります。

遺骨迎え
火葬場から戻ったら、帰家修祓の儀を行います。
帰家祭のあと、世話役の人たちにお礼の気持ちで食事を振る舞います。

無宗教葬儀

無宗教葬儀
宗教や形式にとらわれない自分らしい葬儀を行うためには、配慮しなければならない事がいくつかあります。
悔いの残らないご葬儀をするためには、事前の準備が必要です。

■あらかじめ希望の葬儀の形式を家族にはっきりと伝えます。
■葬儀社に無宗教葬儀を依頼する場合は、その意向がよく伝わるように詳細な相談が大切です。
■必要な手続きを怠らないようにしましょう。火葬・埋葬許可書を発行してもらうためには、死亡診断書が必要です。

偲ぶ会・お別れ会
偲ぶ会・お別れ会は、密葬を行った後に、お付き合いがあった皆様にお別れをしていただくために行います。
通常パーティ式の葬儀のスタイルで、会場としてホテルを選ぶことが多いようです。遺骨と遺影を飾り故人の冥福を祈ります。
また、ホテルでは焼香もできないので、献花をして哀悼の意を表します。

生前葬
生前葬は、「元気で生きているうちに、お世話になった方々に、お礼を述べたい。」 というのが基本的な考え方です。
そのため、本人が高齢でなおかつ健康であることが必要な条件です。
会場としては、ホテルが一般的です。招待状には生前葬の主旨を記し、快く出席してもらえるように配慮します。

無宗教葬儀に参列する
無宗教葬儀に参列する場合、ご遺族の側の要望を尊重することが大切です。
のような形式で葬儀を行うかを確認した上で、参列するようにしましょう。

服装は平服でと案内状に記されている場合は、あまり派手でない地味な服装で参列します。
ご遺族がお香典を辞退している場合は、持参しないのがマナーです。
また、会費制のお別れ会などの場合も同様です。それ以外の場合は、お香典を持参する方が良いでしょう。

事前準備


最近では、直葬や家族葬など様々な葬儀形式があります。どのような形式で葬儀を執り行うか、ご家族でご相談される事をお勧めします。
また、ご本人の意向を尋ねておくことも大切です。ご自身の思いやご希望をご家族などに確実に伝えるために、エンディングノートなどをご活用されてはいかかでしょうか?

宗教・宗派などを確認しておきましょう。
お寺(神社・教会)様の電話番号などを調べておきましょう。

遺影用のお写真が、必要となります。
遺影は、その方らしさが表れているお写真が良いでしょう。
お写真の着物は、デジタル処理で着せ替えが可能です。

ご家族やご親戚・ご友人などの連絡用名簿を作成しておきましょう。お知らせする方々のリストを作成しておくと、いざという時にすぐに連絡を取ることができます。

納棺する際にお着せする衣服などを用意しておきましょう。
また、愛用されたものをお棺の中に入れることもありますので、準備しておきます。ただし、可燃物に限ります。

時間的に余裕があるならば、葬儀社と葬儀について事前相談をしておくと安心です。
葬儀に対する希望や予算などを伝えて、見積書を作成してもらいます。葬儀費用の概算を知っておけば、安心して葬儀を依頼することができます。
また、その費用を準備しておくことも可能です。

会葬者としての心構え
喪服:男性の場合
男性は、ブラックスーツに白のスタンダードシャツ(ボタンダウンなどは不可)、黒のネクタイが基本です。
靴下も黒です。靴は、金具の無い黒の革靴があれば大丈夫です。

■喪服を購入する時のポイント
男性のブラックスーツにはシングルとダブルがありますが、若い方にはシングルの方が人気です。最近は流行により3つボタンも出ていますが、長く着用することを考えるなら2つボタンがお勧めです。
スリーシーズン用と盛夏用がありますが、とりあえずスリーシーズン用を揃えれば良いでしょう。

喪服:女性の場合
女性は、黒のワンピースやアンサンブル・スーツなど、光沢の無い生地でボタンや飾りにも金属など光るものが無いデザインを選びます。
黒のストッキングを用意しておきましょう。
バッグは、正式には黒の布製です。皮革のバッグの場合も、柄が入っているものや、金具の付いているものは避けます。
靴は、プレーンなパンプスやワンストラップなどのシンプルな黒の靴を一足持っていると便利です。できれば、ヒールは3~5センチのものが良いでしょう。

■喪服を購入する時のポイント
女性の場合、着まわしを考えてワンピース+長袖ジャケットのアンサンブルを選べば、季節ごとに用意する必要はありません。ワンピースの丈が選べるものなどもあります。
フォーマル売り場以外で選ぶ場合は、ノースリーブやスカートが膝上丈などの肌の露出が高いデザインは避けましょう。

数珠
仏式の葬儀の時には、必ず数珠を持参します。
正式には宗派によって違いますが、珊瑚や水晶の一連のものが一般的です。

袱紗
香典を持参する時に用います。
慶弔両用に使える紫の小袱紗(45~50cm角)をお勧めします。

仏式葬儀

通夜の準備
神棚封じをし、仏壇を閉めます(浄土真宗は除きます)。玄関には忌中札を貼ります。
通夜の前に納棺を行い、僧侶に戒名をつけてもらいます。
親族は、喪服に着替えます。
故人の遺影・会葬礼状・粗供養品、通夜振る舞いの料理・飲み物・僧侶へのお布施などの準備をします。

■斎場で葬儀を行う場合
使用する式場の規模・駐車場の広さなどを確認しておきます。また、通夜振る舞いを行うための部屋や宿泊施設の有無の確認も必要です。
自宅には、弔問客や電話の応対のために近親者などに留守役をお願いします。

■自宅で葬儀を行う場合
祭壇を飾る部屋を決め、家の整理をします。座布団・湯呑みなど必要な備品を揃えます。庭先に受付台を準備します。
弔問客のために道順表示や立看板を配置します。駐車場として道路を使用する場合は、警察署に道路使用許可申請を出します。
また、近隣にもご挨拶をしておきましょう。

通夜
祭壇の付近に喪主・遺族・近親者が座ります。僧侶が入場し、読経が始まります。焼香は、喪主・遺族・近親者・弔問客の順に行います。最後に喪主が挨拶をします。弔問客に会葬礼状と粗供養品を渡します。
基本的には、祭壇の線香と灯明の灯は消さないように、交替で寝ずの番をします。

■僧侶への対応
通夜が始まる前、僧侶をお迎えして控え室で休憩していただきます。
通夜が終わり控え室に戻られたら、お礼の挨拶をして茶菓でおもてなします。
通夜振る舞いのお料理をお勧めして、帰りの時には「御車代」を渡します。通夜振る舞いをお受けにならない場合は、「御膳料」もあわせてお渡します。

■通夜振る舞い
故人の供養と弔問客へのお礼の意味も込めて、簡単な食事とお酒・ビール・ジュースなどを用意します。
食事は、お寿司・サンドイッチなど簡単につまめるものでもてなします。

葬儀の準備
式が始まる前に、供花・供物の配置、焼香の順番、弔電の披露、火葬場へ同行する人数と配車台数、精進落としの料理など世話役や葬儀社と打ち合わせや確認を行います。
親族は喪服に着替えます。僧侶へのお布施や心付けを用意します。

葬儀・告別式
祭壇の付近に喪主・遺族・近親者が座ります。
僧侶が入場し、読経が始まります。
弔辞・弔電の披露をし、祭壇に供えます。
焼香は、喪主・遺族・近親者の順に行います。弔問客が焼香する時は、喪主・遺族は一人一人に黙礼します。
告別式の後、弔問客に会葬礼状と粗供養品を渡します。
出棺までの間が、故人と最後のお別れとなります。遺体を別れ花で飾り、故人の愛用品を棺に入れます。
出棺は、遺族の男性の手で遺体の足の方を先にして運び出します。喪主または遺族代表が弔問客に挨拶をします。

火葬
火葬許可書を係りの人に渡します。火葬炉の前で納めの式を行い、合掌して最後に棺を送ります。
火葬が終わると、骨上げとなります。埋葬許可書を受け取り、遺骨を持って戻ります。

遺骨迎え
火葬場から戻ったら、清め塩をまきます。ご自宅の場合は、忌中札をはずし、火葬場から戻ってくる人のために、水と清め塩を玄関に置きます。
遺骨を迎えて、還骨回向を行います。続いて初七日の法要を営みます。
終了後、喪主が挨拶をし、精進落しの宴を開きます。喪主または、遺族代表がお開きの挨拶をし、世話役の人たちにお礼を述べます。

■僧侶への対応
還骨回向の後、お礼を述べます。精進落しに出席していただく場合は、「御車代」を用意します。同席していただけない場合は、「御車代」と「御膳料」を渡します。

キリスト教葬儀

前夜式の準備
祭壇に飾る遺影を用意し、供花の配置を決めます。
前夜式の後で弔問客に出す茶菓を手配します。
親族は喪服に着替えます。
納棺には、神父(または牧師)が立ち会います。祈りを捧げ、遺族の手で棺に遺体を納めます。白い花で遺体の回りを埋め、黒布で棺を覆い十字架をのせます。

前夜式
聖歌(または賛美歌)の合唱、聖書朗読、神父(または牧師)の言葉、祈りの後に献花を行います。
前夜式後、茶菓を出し故人の思い出を語りながら一時を過ごします。

葬儀の準備
火葬場へ同行する人の人数を確認し、配車台数を決めます。
弔電を読み上げる枚数と順序を相談しておきます。
教会へのお礼や関係者への心付けを用意します。
親族は喪服に着替えます。

葬儀・告別式
自宅から教会へ棺を移動する際、神父(または牧師)に出棺の祈りをしてもらいます。
カトリックでは、神父が入堂し、開祭の言葉を述べ、言葉の典礼、感謝の典礼、赦祷式(しゃとうしき)、聖歌の合唱でミサが終わります。
神父が退場し、告別式に移ります。聖歌隊の合唱、故人の略歴紹介、弔辞・弔電、遺族代表挨拶、献花の順で式を行います。
プロテスタントでは、オルガンの演奏が終わると、牧師が招きの言葉を述べ、聖書朗読、賛美歌の合唱、祈りと続きます。
牧師が故人の略歴を紹介し、弔辞・弔電、頌栄、オルガン演奏、遺族代表挨拶、献花が行われます。

火葬
ご遺体と最後の対面を行い、出棺します。
火葬場では棺を火葬炉の前に安置し、十字架や生花を飾り神父(または牧師)が祈りを捧げます。火葬許可書を提出し、火葬終了後に埋葬許可書を受け取ります。
ご遺骨は自宅に持ち帰った後、埋骨の時まで後飾りに安置します。

葬儀後

葬儀終了後から忌明けまで
遺族は、世話役から香典の現金、香典・供花・供物の控え帳、弔辞・弔電、会葬者名簿・名刺、会計帳と残金、請求書、領収書などを引き継ぎます。
葬儀社などに費用の支払いをします。

お世話になった方々、近隣・勤務先など各方面に挨拶をします。
また、弔問に来られず、供花・供物や香典を届けてくださった方には、会葬礼状を送ります。

宗教者へお礼をし、今後の法要などの打ち合わせをします。

社葬・団体葬などで新聞に死亡広告を出した場合は、会葬御礼の広告も出します。

お香典返し
忌明けに挨拶状を添えてお香典返しを送ります。香典の金額の半分から3分の1程度を目安に品物をお返します。
香典を寄付する場合や家庭の事情で香典返しを行わない場合は、その理由を記して忌明けの挨拶状を送ります。
神式葬儀やキリスト教葬儀の場合は、ご挨拶状の文面に仏教用語を使わない事と、掛け紙の表書きに注意しましょう。